
児童相談所の一時保護に預けられました。
今の家、つまり里親宅で日々を過ごし、一緒に託された妹と保育所に通ううち、何か変だア、と思わせられる事がいくつかありました。もっとも、その時変だと思ったわけではなく、後になってそう考えたのかも知れませんが…。
先ず姓のことでした。友達や保育所の先生は里親と同じ姓で呼んでくれますが、病院などへ行くと保険証どおりの本名で呼ばれます。本名は記憶ありましたが、何故あっちで呼んだり、こっちで呼んだりするのだろう…と変な気がしました。
母(里母)が受け付けの人に通称(里親の姓)で呼んでくれるように行く医院ごとに私が気付かないうちにたのんだようでした。また、自分では「おばちゃん」だと思っている人を、周りの人達が「美典ちゃんのお母さん」と言います。いつの間にか自分でも今の母を「お母さん」と呼んでいました。それに、こんなことがありました。
私と妹がお兄ちゃん(里親の実子)に遊んでもらっていた時の事です。
近所の人が半分位のこっている袋菓子を持ってきて、私と妹に手掴みでくれました。そして、お兄ちゃんにはあげないで「あんたは此処の子やから、いらんやろ?」と言
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